ご案内
音楽家(声楽、歌手、楽器奏者、クラシック/ポピュラー他)、俳優、役者、声優、アナウンサー、ナレーター、朗読家、司会者、講演家、ステージ上でプレゼンテーションを行う経営者や企業家、交渉の場で信頼感のある発音が必要とされるビジネスパーソン等、声を扱うスペシャリストのために音声(発音)習得のサポートをさせていただいております。
外国語の発音をよくしたい方、ご自分の日本語の発音を客観的に確認したい方にもお薦めです。また、外国語学習の初期段階で身につけていただくと、その後の学習において、めざましく上達することができます。とくに、留学などの準備段階で渡航前に習得しておくことができれば、海外ではよりいっそう実りある学習を期待することができるでしょう。(現在は、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語等の基礎的なトレーニングが中心となります。)
そしてもう一つ大切なことは、「上質な聴き手」「上質なオーディエンス」としての文化的な素養を身につけることができることです。歌とは「言葉を歌う」ことであり、声とは「言葉を語る」ことでもあります。その担い手である音声(発音)について学ぶことは、表現者としてだけでなく、享受する側としても非常に重要なことです。素晴らしい芸術は優れた聴衆によって磨かれるのであり、優れた芸術家は同時に優れた聴き手でもあるという事実は忘れてはなりません。オペラや声楽を愛好される方々にとって、その表現者の発音(ディクション、diction)の魅力にまで近づいて楽しむことができれば、喜びはさらに増すことはいうまでもありません。その意味で、プロフェッショナルの方のみならず、興味のある方にはぜひ学習の機会を提供させていただければと考えております。
ル・スフルールの提供するメソッドでは、従来のいわゆる「発声法」とは異なる分野で、「調音」(アーティキュレーション)を専門とし、音声学的に裏付けられた理論的かつ実践的なアプローチを特徴としています。残念ながら、「調音」の重要性はまだあまり理解されていないようですが、今まで最も欠けてきた分野でもあり、格段の違いをもたらす秘訣ともいえます。
バイオリンにたとえていえば、「発声」とは音を拡張するボディの構造部分であり、「調音」とは音の振動そのものを生み出す弦と弓の調整と運指テクニックを示しています。声をオーディオ機器にたとえていえば、「発声」はアンプやスピーカーのように音源の音量を増幅させる部分であり、「調音」とは音源を生み出すレコードの針の部分ともいえます。もし、「調音」によって生み出された音源そのものの精度が狂っていては、「発声」をどれほど鍛えても、変な音を大音量で拡張しているだけになってしまいます。「発声」のテクニックがどれほど素晴らしくても、調音が間違っていては、あまり評価されないでしょう。
また、ル・スフルールのメソッドでは、理論的かつ生理的な原理に基づいた客観的なアプローチを採用しています。もちろん個人差はありますが、海外在住経験や学習経験にかかわらず、スムーズかつ効率的な上達を期待することができます。たとえば、まだ訪れたことのない国の言葉でも、あなたは何年住んでいたのですか?と、その国の人に聞かれるような発音を身に付けることができるでしょう。もちろん、実際に必要とされる場面にあわせて多少の練習や補正は必要となりますが、基礎的には十分な水準に達することが可能になります。具体的には、まず基本軸となる「調音」の知識とスキルを身につけた上で、その基本軸をもとに、個々に必要な状況にあわせた調整を行なえるようになることが合理的なステップといえます。
なお、いわゆるネイティブスピーカーや海外在住経験者に習う場合、あくまで個人的な経験や主観的な感覚に基づいた指導が行なわれてしまっていることが一般的で、現実には非常に個人的特性のある発音をしていたり、出身地の言語特性を示している例が少なくなく、かえって訛りや癖のある発音を強制させられてしまうことがあり、後々困ることがありますので注意が必要です。また、現地に留学して学ぶことも有効な方法ですが、地域や階層によって非常に特性(方言)があることが通例で、強い訛りや言葉遣いまでもが身についたまま無自覚でいるケースも珍しくないようです。
たとえば、日本の学校で義務的に行なわれている英語の授業において、英語のいわゆる「ネイティブ発音」と思われているものは、アメリカ英語の特徴ある発音、いわばアメリカ訛りの英語に強い影響を受けていますが、必ずしもそれが標準的な英語の発音とはいえない事実はあまり知られていません。さらに、イギリス英語の発音とも非常に異なっているだけでなく、他のヨーロッパ諸国の言葉と比べても、アメリカ英語における発音は、むしろ極めて奇妙な例外的な調音が行なわれている場合があります。これらに気づかないまま無自覚にアメリカ英語の発音を身につけてしまうと、他の言語を学ぶときに大きな障害となる懸念もあります。とくにクラシックの声楽やオペラの歌唱において、イタリア語、ドイツ語、フランス語などの歌詞を、アメリカ英語の訛りで発音してしまったとしたら、高く評価されることはないでしょう。
また、いわゆるネイティブ発音が志向されるあまり、「日本人にはなぜネイティブのような発音ができないのか?」というような、ネイティブの立場からの「上から目線」で一方的な指導が行なわれることが多いようですが、それらは基本的に不毛で無意味であるだけでなく、有害ともいえる指導方法です。どちらが優位であるかということではなく、どこがどのように違うのか観察し、どのような原理に基づいているのか検討し、結果としてどのような音声が実現されうるのかを理解する、という比較学習によって客観的かつ実践的に習得する姿勢が望ましいといえるでしょう。
ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
ぜひ素晴らしい未来に一歩踏み出していかれることを願っています。